満島ひかり主演映画「夏の終り」をHuluで見た感想

瀬戸内寂聴の小説を映像化!満島ひかり主演映画「夏の終り」はHuluで配信中です。(2018年9月25日現在)

「夏の終り」をHuluで見た感想

2013年8月31日公開。配給はクロックワークス。1時間52分。

作家の瀬戸内寂聴自ら体験した不倫の三角関係について描いた同名恋愛私小説を、「海炭市叙景」(2010年)、「私の男」(2014年)の熊切和嘉監督と脚本家・宇治田隆史によるタッグによって実写映画化。

主人公の相澤知子を満島ひかり、知子と三角関係に陥る2人の男を小林薫綾野剛が演じる。

原作

瀬戸内寂聴「夏の終り」

瀬戸内寂聴が出家前の瀬戸内晴美名義で1963年に出版された短編私小説集。
表題作「夏の終り」の他「あふれるもの」「みれん」「花冷え」「雉子」の5篇の連作を収録。
1963年 に「夏の終り」で女流文学賞を受賞。

文庫版
新潮社 新潮文庫刊 改版1966年11月14日刊行

《瀬戸内寂聴 略歴》
せとうち じゃくちょう
1922(大正11)年徳島県徳島市生まれ。本名・瀬戸内晴美
1943年、東京女子大学在学中に見合い結婚し翌年に女の子を出産するが、夫の教え子と不倫。夫と3歳の長女を残し出奔。1950年に正式に離婚し東京で本格的に小説家を目指す。
1956年「女子大生・曲愛玲」で新潮同人雑誌賞、63年「夏の終り」で女流文学賞、92年「花に問え」で谷崎潤一郎賞と、数々の文学賞を受賞。
73年に得度し、法名・寂聴となり、88年に発行した「寂聴 般若心経」は1年で43万部を売るベストセラーとなる。

スタッフ

監督:熊切和嘉
脚本:宇治田隆史
音楽:ジム・オルーク
型染め協力・題字:西耕三郎
ロケ協力:ひょうごロケ支援net、淡路島フィルムオフィス、神戸フィルムオフィス、姫路フィルムコミッション、淡路島観光協会、淡路島くにうみ協会 ほか

あらすじ

昭和30年代。
染色家の相澤知子(満島ひかり)は年上の作家・小杉慎吾(小林薫)と同棲中。
奔放で少女のような知子を時に父親のように窘めながらも穏やかに見守る慎吾だが、彼には別に妻子があり、妻の住む本宅と知子の家とを週にきっちり半々ずつ行き来していた。

慎吾は知子の存在を妻にも認めさせ、互いに別れを考える事もなく気が付けば8年という長い月日が経っていた。

大晦日の夜、風邪を引いて寝込んでしまった知子を置いて慎吾は妻と年を越すために本宅に帰ってしまう。遠くで除夜の鐘が響く中、知子は布団を被って孤独をかみしめる。

年が明けて知子が風邪から回復した頃、家に一本の電話がかかってくる。電話の主は木下涼太(綾野剛)。

涼太は知子が人妻だった10年以上前に恋に落ち、夫と子供を置いて駆け落ちをした年下の男だった。
久しぶりに元恋人の声を聴いた知子は涼太を家に招く。

慎吾が本宅に帰るたび、まるであてつけるように涼太との逢瀬を重ねていた知子。はじめこそ酒食を共にするだけだったが、再び男女の関係になってしまうのにそう時間はかからなかった。

関係が深まるにつれ慎吾と別れるように迫る涼太。しかし知子は慎吾との関係をどうしても断つことができないでいた・・・

みどころ

作家瀬戸内寂聴の自伝的小説を映画化!

瀬戸内寂聴と聞くと、青空説法で人生を説くパワフルな尼さんというイメージが強いのですが、昭和48年に出家するまでは瀬戸内晴美の名前で数々の恋愛小説を世に送り出していました。
今回ご紹介するのは寂聴さん自らが実際に体験した不倫の三角関係について描いた私小説「夏の終り」を映画化した作品です。

年上の男と年下の男の間で揺れる女心

若き日の寂聴さんをモデルにした染色家の相澤知子は、妻子ある年上の売れない作家・小杉慎吾と8年にも及ぶ不倫関係にあり半同棲しているものの、慎吾は週をきっちり半々ずつに分けて妻子のいる本宅と知子の住む家を行き来します。

そんな誠実なのか不誠実なのか分からないような男とずるずると付き合ってしまっている知子。そんな彼女の前にかつて駆け落ちまでした元恋人・木下涼太が現れ、平穏を保っていた知子と慎吾の関係に変化が現れます。

父親のように穏やかだけれどどこか影のある年上の男から離れられないのに、かつてどうしようもないくらい愛した情熱的な年下の男の間で揺れる知子。

昭和30年代の日本を舞台に、身勝手で寂しい3人の男女の業と愛憎を描いた大人向けの人間ドラマです。

昭和の文学の香りのする作品

実は「夏の終り」のネット上の評価はイマイチです。確かに、感情を抑えた登場人物達が淡々と自分達の関係や現状について自問自答するストーリーなので、ジェットコースター的かつラテン系の濃厚な恋愛要素をお望みの方にはまったく面白くない作品だと思います。余談ですが、濃厚かつ肌の露出度の高いラブシーンもありません。

「夏の終り」は、21世紀の自由恋愛が当たり前になった明るい太陽の下やLED照明の元で楽しむ恋愛ストーリーではなく、昭和30年代のまだまだ「女の自由」が許されていなかった風潮のどこか薄暗い世界の中、断ち切れない情にもがき苦しむ「昭和の文芸」作品です。

空気感としては昔のフランスのマイナーな恋愛映画に似ている所もあるので、好きな方にはたまらない作品だと思います。

平成最後の夏の終わりに昭和の文学の香りのする作品の世界観にどっぷり浸かるのもオツではないでしょうか?

人間関係と時系列が分かり辛い点も

「夏の終り」が不評な点として、人間関係と時系列が分かり辛いことも挙げられます。
暗転で現在と過去が交錯する場面が多くあり、慣れるまではこれは今起きていることなのか過去の出来事なのか混乱することもしばしば。

また、知子と慎吾、知子と涼太の関係も最初は詳しく語られる事なく、「元々どういう関係から恋愛関係に発展したのか」だとか「知子と涼太はなぜ別れてしまったのか」は順不同で挿入されていく過去のシーンやセリフで語られる内容から推測していく形になるので、行間を読む力が必要になる作品かもしれません。

女優・満島ひかりの演技力

主人公・相澤知子を演じたのは、女優・満島ひかり さんです。

満島さんは2人の男に挟まれ自分の「業」と「生」に向き合う30代の女性、という難しい役どころに挑戦、女性に貞淑さを求める時代の中、自分の想いに素直に生きる奔放さと、少女のようなあどけなさと激しさ、そして時折見せる情と業の深さを、持ち前の演技力で見事に演じています。

そして何よりも、昭和の風景の中に佇む満島さんの姿そのものがとても素敵!
凛とした和装も昭和レトロな洋装もどちらも良く似合っていて、古い町並みの中に溶け込んでいるのです。

小林薫と綾野剛、魅力的な2人の恋人

主人公・相澤知子を迷わせる存在となるのが、小林薫さん演じる小杉慎吾と、綾野剛さん演じる木下涼太の2人です。

小林薫さんは「深夜食堂」の主演・マスター役をはじめ、数々のドラマや映画で活躍するいぶし銀の俳優さんですが、「夏の終り」では妻子がありながら知子と愛人関係を続ける売れない作家役を演じています。

飄々と本妻と愛人の間を上手く渡り歩くずるい男なのに不思議といやらしさや生々しさはなく、さらに心の奥底に深い悲しみを抱いてすべてを諦めているような雰囲気が醸し出されていて、知子が彼から離れられないのも仕方がないと頷いてしまいました。

一方で、かつて知子と駆け落ちまでした年下の元恋人を演じているのは綾野剛さん。

過去、知子と恋に落ちた時の初々しい青年時代と、再会して再び男女の仲になってから嫉妬に狂うようになる壮年期を情熱的に演じています。

特に20代で揺れる選挙カーの上で密かに知子と手を握り合うところや、30代になって知子と再び出会い、彼女から慎吾の話を聞く時に見せる複雑な表情が非常に良かったです!

小林薫と綾野剛、年齢もタイプも違う2人の俳優の演じる恋人の魅力にぜひ酔いしれて下さい。

登場人物/キャスト

相澤知子:満島ひかり
染色家。妻子持ちの小説家・小杉慎吾と8年もの間愛人関係にあり、半同棲状態を続けている。
10年以上前に年上の男性と結婚しており娘もいたが、年下の青年・涼太と恋に落ち、夫と娘を捨てて駆け落ちした過去を持つ。

小杉慎吾:小林薫
知子の愛人で売れない作家。しばらく文筆活動は進んでいない様子。
週の半分を知子と同棲し、もう半分を本宅で過ごす。

木下涼太:綾野剛
知子の元愛人。10年以上前に知子と駆け落ちした相手。
転職した関係で知子が住む家の側に越してきており、挨拶がてら訪ねてくる。

鞠子:赤沼夢羅
慎吾の蔵書を目当てに知子の家に出入りしている女学生。

小杉ゆき:安部聡子
慎吾の正妻。本宅で裁縫の教室を開いている。

サヤマ:小市慢太郎
知子の年の離れた元夫。夫婦の間には娘もいたが、涼太と駆け落ちした知子に共に捨てられる。

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