『グラン・トリノ』huluで視聴した感想と作品紹介

作品概要

グラン・トリノ

本作は名優、そして監督としても評価の高いクリント・イーストウッドが監督・プロデューサー及び主演を務め、2008年に公開されました。家族と打ち解けることを拒絶した元軍人の老人と彼の隣に越してきた東洋人の少年との触れ合いを描いた映画です。
キャッチコピーは、

男は迷っていた。人生の締めくくり方を━━。
少年は知らなかった。人生の始め方を━━。

本作は評価も高く、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞主演男優賞を、また、日本国内では第34回報知映画賞外国映画賞グランプリ「キネマ旬報」ベストテン洋画部門ベスト1第52回ブルーリボン賞外国映画部門グランプリ等数々の賞を受賞しています。

名車「グラン・トリノ」とは

グラン・トリノ

本作のタイトルであるグラン・トリノ。これはアメリカの自動車会社「フォード」が生産したフォード・トリノという車種のうち、1972年から1976年に生産した車種に冠された名称です。
アメリカがかつて自動車産業の世界で活躍したことを象徴する車であり、この車種が登場した後、80年代ごろからアメリカ自動車産業は衰退していき、代わりに日本製の車が台頭してきました。

人生を終わりを控えた老人が愛でる、かつてのアメリカを象徴したグラン・トリノ。本作でこの車は何を表し、そしてどんな結末を迎えるのか、ご注目ください。

イーストウッドのこだわり「戦争PTSD」

本作では、朝鮮戦争出兵経験を持つ主人公の老人をクリント・イーストウッドが演じています。彼は戦争中、人を殺めた経験を持ち、戦争から帰って何十年も経った今でも、その時の経験が脳裏をよぎり苦しんでいます。
彼はいわゆる戦争PTSD(心的外傷後ストレス障害)患者です。これは戦争という、いつ殺すか殺されるかといった極限状況の中で、精神に傷を負ってしまう症状のことで、いわば「戦争から帰ってきても心は戦場にいる」と表現してもいいかもしれません。

ある戦場経験者は、戦場から帰ってきて日常生活を送っていても、遠くで聞こえるクラクションの音や犬の鳴き声が銃声のように聞こえパニックを起こすといいます。また、逆に常に動悸や心拍数・血圧が上がった状態にも関わらず銃を握るとそれが途端に収まるといった症状があります。

アフガン戦争やイラク戦争時に知られるようになったこの病気ですが、これが一般的知られるようになる前からイーストウッドは強い関心を寄せており、自ら監督する複数の作品で取り扱いました。

クリント・イーストウッドが監督する「戦争PTSD」を取り扱った作品

  • 2006年『父親たちの星条旗』
  • 2008年『グラン・トリノ』
  • 2014年『アメリカン・スナイパー』

この戦争PTSDを通して戦争の虚しさや恐怖を伝えるイーストウッド監督。今作は、明確な反戦がテーマではありませんが、戦争PTSD患者への理解が深い名優が演じている点は、非常に見どころがあると言えるのではないでしょうか。

舞台となったデトロイトとは?

本作の舞台であるデトロイト。日本人にはあまり馴染みがありませんが、大変特徴的な街です。視聴の前にその特徴をおさらいすると、より本作を理解しやすいでしょう。

デトロイトはアメリカのミシガン州にある都市です。1903年フォード社が自動車工場を設立したことをきっかけに栄えました。全盛期にはこの都市に住む人口の半数が自動車産業に関わっていたまさに自動車の街です。日本で言うところの愛知県豊田市のようなものでしょうか。
しかし、70年代後半から、安価で安全性の高い日本車が世界で台頭したことで多くの失業者が生まれ、治安が悪化しました。
富裕層はよその土地へ移り、貧困層が多く流入しました。その中には映画に登場するアジア系の人々が多く独特のコミュニティを形成しています。

あらすじ

長年連れ添い亡くなった妻の葬式で、ウォルト・コワルスキー(演:クリント・イーストウッド)は苛立ちを隠せないでいた。無礼極まる孫の態度、青二才のくせに生と死を知ったような口で語る神父の説教。彼の目には、見るもの全てが憎悪の対象だった。そんな彼を見て息子たちは「今も50年代だと思っている」と皮肉る始末。彼は50年代に朝鮮戦争を生き抜いた退役軍人だったのだ。
その戦争で受けた心の傷が彼をここまで頑固で意固地にしていた。
彼の唯一の生きがいは戦争から帰還後50年間勤め上げたフォード社が製造した愛車「グラン・トリノ」を磨くこと。

妻の死後、息子家族との交流も拒絶し、周りに越してきた東洋人たちに悪態をつきながら、愛犬と共に孤独に暮らすウォルトの日々。しかし、ひょんなことから隣に住むモン族の家族と交流を深めることになる。

彼らが血を分けた家族よりも人間らしい生活を送り、自分を尊重してくれることに気づいたウォルトはタオ(演:ビー・ヴァン)という少年を気にかける。タオは気の弱い内気な性格で、ギャングにそそのかされて愛車を盗もうとした少年だった。
人生に迷う少年に、仕事の仕方から男としての生き方までを教えていくうちに、やがて心が解放されていくウォルトだったが、ある事件が二人の前に立ちはだかる。
それは人間の生と死を見つめるのに十分すぎるほど過酷な事件だった。
ウォルトは自身の人生を賭け、その事件に立ち向かう。彼は少年に一体何を残そうとしたのか。

グラン・トリノ

感想

名優クリント・イーストウッドここにあり

グラン・トリノ

さすが長いキャリアを重ねたクリント・イーストウッドといったところでしょうか。冒頭、妻の葬儀に参加する人たちに向けられた憎悪の目がめちゃめちゃ怖い。さらに、ギャングたちの前に立ちはだかり、彼らの挑発に一切動じることなく、圧倒する姿は大変魅力的です。
彼はおじいちゃんなんですよ?けれどその物腰は「おじいちゃん」というより「様々な人生経験を積み年齢を重ねた男」と表現する方がしっくりきます。
こんな歳の取り方をしたい!と男性であれば誰もが思うはず。

人の交流を描いた心温まる作品

イーストウッドが演じるウォルトは家族にも神父にも心を開きません。それは戦争を通じて人間というものを知っているから。そんなウォルトからすると彼らはなんとも薄っぺらく情けない存在に見えるんですね。
しかしそんなウォルトですが、隣に住むタオ族の少年を気にかけてしまいます。年齢も性格も人種も違う彼らが打ち解けていく様はとても心温まります。
しかし、彼らに非常な運命が待ち受けています。大変悲しい結末を迎えるのですが、観終わった後不思議なもので、著者はあたたかい感動に包まれました。
ネタバレのため詳しく語れないのが残念!この堅物のおじいちゃんが我々に何を伝えようとしたのか、特に若い世代の方に観ていただきたい映画です。

登場人物/キャスト

役:ウォルト・コワルスキー
演:クリント・イーストウッド
朝鮮戦争出兵経験を持つ退役軍人。帰還後自動車会社フォードの自動車工として50年務めあげ、愛する妻と死別し独りとなった今でも、東洋人が多く越してきたデトロイトに住んでいる。

役:タオ・ロー
演:ビー・ヴァン
ウォルトの隣に越してきたタオ族の少年。ギャングに絡まれても何も言い返せない内気な性格。家族からも甲斐性なしの頼りない男と言われている。

役:スー・ロー
演:アーニー・ハー
タオの姉。ギャングに絡まれているところをウォルトに救われたことをきっかけに、頼りない弟を導いてやってほしいとウォルトに頼む。

役:ヤノヴィッチ
演:クリストファー・カーリー
ウォルトの妻が生前通っていた教会の神父。ウォルトの妻からの頼みでその心の傷を救うためにウォルトに懺悔することを勧めるが、彼が神学学校出たての童貞であることを理由に拒絶される。しかし、根気強くウォルトの元を訪ねることに。

huluの配信について

字幕版、吹き替え版ともに配信中(視聴時間1時間56分)

Huluは今なら2週間無料で見放題!今すぐ無料視聴!

今だけ2週間無料キャンペーン中! 登録はわずか3分でスマフォからでも見れます!
お申込みは↓↓↓をクリック
まずは2週間無料でおためしはこちら
※紹介している作品は、掲載時の情報です。現在は配信終了している場合もありますので、詳細は Hulu の公式ホームページにてご確認ください