『硫黄島からの手紙』 huluで視聴した感想と作品紹介

作品概要

硫黄島からの手紙

本作は太平洋戦争における日本本土で起きた壮絶な戦いの一つとして知られる「硫黄島の戦い」を描いた作品です。日米双方からこの戦いを描いた硫黄島プロジェクトの日本側の視点。アメリカ側の視点を描いた作品に『父親たちの星条旗』があります。
二部作の形式をとってはありますが、それぞれ独立した作品であり、どちらか片方だけ見ても視聴に差し支えはありません。

原作は硫黄島の戦いにおいて日本軍を率いた栗林忠道陸軍大将が家族に送った手紙。彼は圧倒的な数で迫るアメリカ軍の猛攻撃に対して、少数人数の兵員でアメリカ軍に大打撃を与えた軍人ではありますが、家族に送った手紙から受ける印象は、一人の父親であり夫でした。本作にはそんな彼の暖かい人柄が丁寧に描かれています。

監督は『父親たちの星条旗』でも監督を務めたクリント・イーストウッドが続投しており、完全なハリウッド映画ではありますが、主要登場人物全員が日本人で、アメリカ軍人はあくまでも脇役の扱いです。
ハリウッド映画において日本人が主人公であり日本を描いた作品は過去に前例がありません。しかし、今作はアメリカで数々の賞をアメリカ映画として受賞、また日本のアカデミー賞でも今作が外国語映画賞を受賞するなど、あくまでアメリカの映画として扱っているところが非常にユニークです。

硫黄島の戦いについて

硫黄島の戦い

1945年2月19日に開戦された日米双方において重要拠点である硫黄島を巡った戦争です。島周辺の制空海権を握っていたアメリカ軍。彼らは島を制圧するのに当初5日間の戦闘を見込んでいました。
しかし、栗林忠道の指示のもと、日本軍は地中に長さ18kmにも及ぶ地下壕を形成。いたるところに出入り口を設け、島全体を要塞化してこれに応戦。
結果的に35日間に及ぶ長期戦となりました。さらに、日本軍の損害20,129名に対し、アメリカ軍はそれを上回る28,686名に及ぶなど、アメリカ軍にとって手痛い勝利だったことが伺えます。

栗林忠道の凄いところ

硫黄島からの手紙

本作の主人公である栗林忠道ですが、彼はこの戦いにおいてそれまでの常識を覆す奇抜な戦術を編み出しアメリカ軍に大打撃を与えました。その活躍は本作でも描かれていますが、簡単にまとめました。

画期的な戦術

硫黄島の防衛を任された栗林忠道。彼は硫黄島と日本列島の地理的関係性から、アメリカ軍が硫黄島を取りにかかると読んでいました。そんな彼が編み出した戦術は、島の地中に巨大な地下壕を形成、敵を島内へと誘い込みゲリラ的な攻撃を用いて敵を翻弄するというものでした。
しかし、当時の島防衛の基本は海岸で敵を迎え撃ち、敵を島に入れないことを目的とする「水際作戦」と呼ばれるもの。
これは圧倒的な数で劣る日本側からすれば、海岸に立った人間は格好の的でしかなく単なる自殺行為でした。

このように、栗林の掲げる戦術は当時の常識からは逸脱しており、軍内でも意見は分かれ、特に海軍たちは猛反発をしていたようです。
しかし、結果的に栗林の戦術は功を奏しました。上陸作戦時、アメリカ軍を率いていたある中将は日本兵が海岸沿いに現れないという報告を受け「この戦いを指揮している日本の将軍は相当頭の切れる奴だ」という言葉を当時の取材記録に残しています。

玉砕突撃を厳禁した

当時の日本軍の思想としては、国のため、天皇のために死ぬ事を美徳としており、負けると分かったら最後、玉砕覚悟で敵軍に突っ込む兵士が後を絶ちませんでした。これが玉砕突撃です。また、その時「天皇陛下万歳!」と叫んで突撃する事から万歳突撃とも言われていました。
これは思想的ないかんは抜きとして、戦術的な意味で考えた場合、全くの無駄です。貴重な戦力がそれだけ損なわれるわけですから。
そのため栗林は、この玉砕突撃を厳禁し生き残った兵力は他の部隊と合流し、最後まで敵を一人でも多く倒すことを徹底付けました。

兵士の士気を高めるのに尽力した

硫黄島は火山の噴火によってできた島であり、近くの島からでも300kmも離れた絶海の孤島でした。そのため居住するだけでも劣悪な環境で、至る所から火山ガスが噴出、地下水にも硫黄が混ざっていたと言います。
そんな環境での掘削作業は非常に難を極め、従事する兵士たちはモチベーションを保てていませんでした。
そこで栗林は島内の軍人・軍属2000人以上の全員と直接面会し士気を高めたと言います。

また、彼は日章旗を掲げる場所にも工夫を凝らします。日章旗は皇国日本をそして天皇を象徴する旗であり、多くの国民が心の拠り所にしていました。この旗はそれまで軍部や階級のある兵士が住む場所にしか掲げられない特別なもの。しかし、栗林は一兵卒が掘削活動をする作業場にも旗を掲げ、彼らのモチベーションを上げることに成功しました。


このように、彼のそれまでの価値観にとらわれない柔軟な発想が、圧倒的不利な戦いにもかかわらず敵への大打撃へと導いたわけです。
これらのことは映画内でも詳しく描かれていますし、また、なぜ彼がそのような柔軟な発想ができるようになったかについても、映画内で少しだけヒントがあるように見受けられました。
是非ご自分の目でご確認ください。

あらすじ

硫黄島からの手紙

太平洋戦争末期、日本軍の重要拠点でありアメリカ軍の総攻撃を間近に迎えた硫黄島。そこに所属する西郷は海岸沿いで敵を迎え撃つための塹壕を掘らされていた。内地に残した妻への手紙に西郷は、自分が入るための墓穴を掘っているように感じられる旨を書き記す。檄を飛ばす上官の意気込みに反して、彼はこの戦争に疑問を感じていた。その態度を見透かされ、上官から体罰を受ける西郷。
そんな彼を救ったのは新たに指揮官として配属された栗林忠道陸軍中将だった。

彼は、それまでの作業を中止させ、新たに島全体に地下壕を形成、島を要塞化することを提案する。斬新な彼の指揮に反発をする古参の将校たち。
しかし、彼はそんな反発を押しのけて計画を推し進めていく。実はアメリカに駐在経験を持っていた栗林は、敵国のことを熟知していたのだ。そんな彼だからこそ、この戦いに勝利がないことも分かっていた。

1日でも長く、日本の子どもたちが安全に暮らせる日を守りたい。そのために彼は邁進していた。

━━終戦から61年後。
硫黄島で何百通のも手紙が発掘される。それは家族に宛てるために兵士たちが書き記すが届くことのなかった手紙。その手紙からこの島で彼らが何を想い、また何のために戦っていたのかが明かされる。

視聴した感想

日米双方の視点から描かれた硫黄島2部大作の一つ『硫黄島からの手紙』。『父親たちの星条旗』に続いて視聴しました。
ベタな感想ではありますが、感動してしまいました。

我々現代の日本人にとって第二次大戦中の軍人はちょっと受け入れがたい異様な人種のように見受けられます。国のために天皇のために自決することを美徳として、万歳万歳叫びながら死んでいくのですから。

しかし、家族に宛てられた手紙からは、そんな違和感は一切感じさせません。一人の夫であり父親なのです。現代の我々と全く変わりません。その点が非常に共感を持って見られました。

逆にそんな人たちが、なぜ死ななければならなかったのか。
とても悲しくなってきます。
家族のために最後まで敵と戦って散っていくならまだ救いがあります。しかし、今作には本当に無駄に死んでいく人が多く、とてもやるせない気持ちになりました。

「今作は勝戦国のアメリカが作った映画。そのため敗戦国の日本が猛省するために作られたプロパガンダ的な・・・」
いやいや完全に邪推です。そんな政治的主張は微塵も感じさせることなく、人間を描いた作品です。
過去の人も現在の人、軍人も一般人も、日本人もアメリカ人も。そのような垣根を超えて人間を描いた作品だと強く思いました。
戦争を経験していない日本人だからこそ、見るべき一本。おすすめです。

登場人物/キャスト

役:栗林忠道(くりばやし ただみち)
演:渡辺謙

役:西郷昇(さいごう のぼる)
役:二宮和也

役:西竹一(にし たけいち)
役:伊原剛志

役:清水洋一(しみず よういち)
演:加瀬亮

役:伊藤
演:中村獅童

huluでの配信

視聴時間2時間20分。字幕版のみ。

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